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サラー(礼拝)には、欠かすことの出来ないいくつかの基幹があります。それをご紹介しましょう。

    サラー(礼拝)の諸基幹

    ] 日本語 [

    أركان الصلاة

    [اللغة اليابانية ]

    ムハンマド・ブン・イブラーヒーム・アッ=トゥワイジリー

    محمد بن إبراهيم التويجري

    翻訳者: サイード佐藤

    ترجمة: سعيد ساتو

    校閲者: ファーティマ佐藤

    مراجعة: فاطمة ساتو

    海外ダアワ啓発援助オフィス組織(リヤド市ラブワ地区)

    المكتب التعاوني للدعوة وتوعية الجاليات بالربوة بمدينة الرياض

    1429 – 2008

    ⑧サラー(礼拝)の諸基幹

    ● サラーには14の基幹があり、その1つでも欠ければ義務のサラーは有効とはなりません。その14の基幹とは以下に挙げる通りです(サラー進行の際の順番通りになっています):

    ① 起立して行うこと(何らかの正当な理由がある場合は除く)。

    ② タクビーラトゥ・アル=イフラーム[1]

    ③ 各ラクアでアル=ファーティハ章を読むこと(イマームがそれを声に出して読む場合を除く)。

    ④ ルクーゥ(お辞儀の形の礼拝動作)。

    ⑤ ルクーゥを終えた時に真っ直ぐ起立すること。

    ⑥ 7つの身体部分[2]を地面に付けてサジダ(跪拝)すること。

    ⑦ 2つのサジダの間の座位姿勢。

    ⑧ 2つ目のサジダ。

    ⑨ 2度目のタシャッフド(信仰告白)[3]のための座位姿勢。

    ⑩ 2度目のタシャッフド。

    ⑪ 預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)とその系譜への祈願。

    ⑫ これら全ての動作において静粛さと落ち着きを保持すること。

    ⑬ これら全ての動作を順番通りに行うこと。

    ⑭ タスリーム[4]

    ● これらサラーの諸基幹を1つでもやり損ねた場合に関する法的見解:

    1-これらサラーの諸基幹を1つでも故意に放棄した場合、サラーは無効となります。また②タクビーラトゥ・アル=イフラームを無知あるいは忘却ゆえにやり損ねた場合、サラーはそもそも開始したとは見なされません。

    2-これらサラーの諸基幹を1つでも無知、あるいは忘却ゆえにやり損ねてしまった場合、もしまだサラーを終了していなければそのやり損ねた動作に戻ってやり直し、その後の動作も再びやり直します。但しそのままサラーを継続して次のラクアに入り、そのやり損ねた動作の箇所を行い、それを無効となった前のラクアの代わりとすることも出来ます(無論その前のラクアは無効なので、そもそも1ラクアと数えません)。例えばルクーゥするのを忘れてサジダに入ってしまった場合、それを思い出したらルクーゥに戻ってやり直します。あるいはそのままそのラクアを継続して次のラクアに入り、それを無効となった前のラクアの代わりとします。そしてそのいずれの場合でも、タスリームの後に不注意によるサジダ[5]を行わなければなりません。

    ● 無知ゆえにサラーの諸基幹、あるいは諸条件を満たさなかった場合は、もしその義務のサラーの時間が終了してしまっていなければ、サラーをやり直します。しかしもしそのサラーの時間が終了してしまっていれば、やり直しません。

    ● サラーでアル=ファーティハ章を読むことに関する法的見解:

    イマーム、あるいは単独でサラーを行う者にとって、サラーの各ラクアでアル=ファーティハ章を読むことはサラーの基幹の1つです。ゆえにそれを読み損ねたラクアは無効となります。一方イマームに従う者は、声を出さずに行うサラーにおいてはアル=ファーティハを各ラクアで読まなければなりませんが、イマームがそれを声に出して読むサラーにおいてはそれを静かに謹聴します。そしてイマームが沈黙し、彼に従う者の誰かがアル=ファーティハを読むようなことがあってはなりません。というのもそのようなことには何の法的根拠もないからです。

    [1] 訳者注:サラーを開始する際に行うタクビールのことです。アッラーが何よりも偉大であり、それ以外の存在はかれなしでは存在することが出来ない小さな存在であることを実感することで、サラー中の畏怖の念を呼び起こし、またかれ以外の何かに心を囚われることがないようにします。

    [2] 訳者注:7つの部位とは①②両手の平、③④両膝、⑤⑥両足、⑦額と鼻先、のことです。

    [3] 訳者注:詳しくは「⑤サラーの形」の項を参照のこと。

    [4] 訳者注:礼拝最後の動作で、右と左に振り向いて挨拶すること。

    [5] 訳者注:詳しくは「⑪不注意によるサジダ」の項を参照のこと。