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遺産の具体的な分配法についてご紹介します。

    ● 遺産とは:故人が残した財産などのことです。

    ● 遺産の分配法:

     遺産の分配は、以下に示す方法の内のいずれかに従って行います:

    1-歩合法:

    これは、事例における全相続人の取り分と遺産の額との比率によって遺産の分配率を計算する方法です。

    例えば故人が残したのが妻1人と母親と伯叔父1人で、遺産が120万円であったとします。この場合それぞれの取り分は以下のようになります:

    母親

    固定相続

    変動相続

    そして妻の相続率は遺産120万円の4分の1ですから実質的な取り分は30万円となり、同様に母親は120万円の3分の1で40万円、伯叔父は残りの5分の1ですから50万円となります。

    2-また望むなら、各相続人の取り分を遺産の総額数にかけ、その結果得られた数を事例の基準分割数で割る、という方法を取ることも出来ます。

    例えば上の例に当てはめると、妻の取り分である3を遺産額である120万円にかけます。そしてその結果である360万円を事例の基準分割数である12で割ると、彼女の取り分が30万円であることが導き出されるのです。

    3-またもし望むなら、遺産総額数を事例の基準分割数で割った結果の数を、その事例における各相続人の取り分でかける、という方法を取ることも可能です。

    つまり先の例に当てはめると:まず遺産総額数である120万円を基準分割数である12で割り、それからその結果である10を各相続人の取り分にかけます。例えば母親の相続率は3分の1で取り分は4ですから、それに10をかけた40万円が彼女の具体的な取り分となるのです。

    ● 遺産分配の席にやって来た者に与えることに関して:

     もし遺産分配の席に相続権を有さない故人の親戚や孤児、貧者などが現れたら、遺産分配を始める前に彼らにいくらかの分け前を与えることが推奨されます。

     至高のアッラーは仰られました:-そして(遺産の)分配に(相続権を有さない)親戚や孤児や困窮者らが現れたら、そこからいくばくかのものを施してやるのだ。そして彼らに良い言葉をかけてやれ。,(クルアーン4:8)

    ● 相続人に関する事例の区分:

     相続人に関する事例は3種類に区分されます:

    1-符合:これは固定相続人の相続率の合計と事例の基準分割数が一致したものです。

     例題:故人が、夫と同父母の姉妹1人を残して他界しました。

    同父母の娘

    固定相続

    2-不足:これは固定相続人の相続率の合計が事例の基準分割数よりも少ないものです。

     例題:故人が、妻1人と異父姉妹1人を残して他界しました。

    異父姉妹

    固定相続

    3-過剰:これは固定相続人の相続率の合計の方が事例の基準分割数よりも大きいものです。

     例題:故人が、母親と複数の異父兄弟、同父母の姉妹2人を残して他界しました。

    固定相続

    同父母の

    姉妹2人

    固定相続