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性交放棄の誓いとは、性交を営む能力のある夫が偉大かつ荘厳なるアッラーの御名、またはその美名、あるいはその属性において妻との正常な性交の無期限、あるいは4ヶ月以上の放棄を誓うことです。

    性交放棄の誓い

    ] 日本語 [

    الإيلاء

    [اللغة اليابانية ]

    ムハンマド・ブン・イブラーヒーム・アッ=トゥワイジリー

    محمد بن إبراهيم التويجري

    翻訳者: サイード佐藤

    ترجمة: سعيد ساتو

    校閲者: ファーティマ佐藤

    مراجعة: فاطمة ساتو

    海外ダアワ啓発援助オフィス組織(リヤド市ラブワ地区)

    المكتب التعاوني للدعوة وتوعية الجاليات بالربوة بمدينة الرياض

    1429 – 2008

    5-性交放棄の誓い

    ● 性交放棄の誓いとは:性交を営む能力のある夫が偉大かつ荘厳なるアッラーの御名、またはその美名、あるいはその属性において妻との正常な性交の無期限、あるいは4ヶ月以上の放棄を誓うことです。

    ● 性交放棄の誓いの合法性の英知:

     性交放棄の誓いには、夫に対して不従順な妻に対する懲戒の意味合いがあります。それは4ヶ月以内の間で必要な範囲であれば合法ですが、それ以上の期間に渡るものは非合法であり夫の罪悪と見なされます。というのもそれは妻に対する義務の放棄における誓いであるからです。

    ● 性交放棄の誓いの期間制限に潜む英知:

     イスラーム以前の無明時代には、夫が妻を好かず、かつ彼女を他の男性に結婚させたくもないような場合、彼女を嫌がらせる目的で1年間とか2年間、あるいは無期限に彼女との性交を放棄する誓いをする、という習慣がありました。そうすることで女性は、妻でも離婚された状態でもないような宙ぶらりんの状態に置かれたのです。

     偉大かつ荘厳なるアッラーはこのような害悪を放逐するためにも、このような不正に4ヶ月という制限を定められました。そしてそれ以上のものを禁じられたのです。

    ● 性交放棄の誓いの形:

     夫が無期限、あるいは4ヶ月以上の間妻と性交しないことを誓った場合、もし彼が4ヶ月以内に妻と性交した時は、誓いを破棄した贖罪‐10人の貧者への施しか衣服の提供、あるいは奴隷1人の解放、そしてそれらが不可能であれば3日間のサウム(いわゆる断食)‐が義務付けられます。

     一方もし性交しないまま4ヶ月が経過してしまったら、妻は夫から性交を要求します。それで性交すればやはり同様の贖罪が夫に義務付けられますが、もし性交を拒んだ場合には妻は彼に離婚請求をします。もし夫がそれも拒否するならば、統治者か裁判官[1]が彼女の権利保護のために1回の離婚宣告を行います。

     至高のアッラーはこう仰られました:-妻(との性交の放棄)において誓いを立てる者は、4ヶ月の猶予を置く。そして(その間に妻との性交に)戻れば、実にアッラーはお赦し深く慈悲深いお方である。しかし(4ヶ月間性交せずに)離婚しようとするならば、実にアッラーは(それを)お聞き入れになり、(その意図するところを)ご存知のお方である。,(クルアーン2:226)

    ● 性交放棄の誓いから離婚に至った妻のイッダ(待婚期間)は、通常の離婚女性と同様のものです。

    [1] 訳者注:イスラーム法で裁く統治者や裁判官のことです。そのような機関が存在しない非ムスリム国や地域に居住するムスリムは、そこにおけるイスラーム的権威である学者やイマームなどに依拠することになります。